おすすめ探訪スポット!
まいさか
ビーチ・マリンスポーツで注目集める
浜名湖と遠州灘に接し、古くから漁業・水産業、観光業で栄えた舞阪エリア。
最近はビーチスポーツ、マリンレジャー、サイクルスポーツなどのアクティビティで、全国から熱い注目を集めています。
そのほかにも、弁天島花火大会や、地元の新鮮な海産物を販売する
「えんばい朝市」などのイベントが盛りだくさん。
春から夏の観光シーズンは、家族や友人と一緒に舞阪エリアに出かけ、
当地ならではの海辺の楽しみを味わってはいかがでしょうか。
50周年を迎えた赤鳥居
舞阪エリアといえば真っ先に思い浮かぶのは、弁天島の干潟「いかり瀬」に建つ高さ18メートルのシンボルタワー。通称・赤鳥居です。1973年に竣工の赤鳥居は、2023年に50周年を迎え、7月には記念イベントが行われました。赤鳥居が建つ浜名湖の景観は素晴らしく、とくに11月から1月ごろにかけては鳥居の間に夕陽が沈んでいく神秘的な光景が見られ、格好の撮影スポットとなります。残念ながら春から夏の季節には見られませんが、その代わり、上の写真のように空と湖面が一体化した絶景を撮影できるかもしれません。
また、2024年7月6日には赤鳥居近くで弁天島花火大会が開催されます。伝統ある弁天島の花火大会はコロナ禍で一時休止されましたが、2023年から復活して1万2000人の観客を動員。2024年は2万人近い来場者が予想されています。今回、打ち上げる花火は1000発を予定し、花火が盛んな遠州地域でどこよりも早い大会として、地域の人々の注目を集めることでしょう。
続いて7月14日には、本格的な夏の到来を告げる「弁天島海開き 2024はまなこ夏フェスタ」が開催されます。このフェスタは、海水や砂浜で様々なアクティビティを楽しみ、干潟の恵みに感謝しつつ、地域の賑わいに寄与することを目的としています。
フェスタのアクティビティの中でユニークなのは、水面に浮かべたボードの上で行う「サップヨガ」。不安定なボード上でヨガを行うことで、地上よりも体幹が鍛えられ、高いフィットネス効果が得られるとされています。また、細いベルト状のラインをバランスを取りながら渡る「スラックライン」や、浜名湖に生息する魚と触れ合う「タッチングプール」なども人気を集めそうです。
「ヘミングウェイカップ」を開催
こうした海辺でのレジャーに加えて、舞阪エリアでは本格的なスポーツフィッシングも盛んです。遠州灘につながる今切口から釣り人たちがボートを出し、沿岸で大物釣りに挑戦しますが、中でも人気なのがカジキ。剣のように長く伸びた吻(ふん)が特徴のカジキは、カリブ海など赤道近くの海に生息するイメージがありますが、実は夏になると遠州灘の沿岸にも回遊してくるのです。
そのカジキをターゲットとする釣り大会として、2011年から実施されているのが「浜名湖スポーツフィッシングフェスタ」。2024年は7月20、21の両日、「浜名湖—キューバ ヘミングウェイカップ」として開催されます。
この大会は、「老人と海」の舞台となったキューバで開かれる「ヘミングウェイカップ」をキューバ国外では唯一、浜名湖で開催するもの。約30隻の船が遠州灘の沖合10~18キロに出て、トローリングでカジキ釣りに挑戦。釣り上げたカジキの大きさを競います。遠州灘のカジキは体長4メートル近く、平均重量は100キロを超え、スポーツフィッシャーマンにとって垂涎の獲物。そんな大物と出会える遠州灘は、まさにスポーツフィッシングの聖地といえるでしょう。
早朝から賑わう「えんばい朝市」
さて、ここからはマリンスポーツ・レジャーの話題から離れて、舞阪の新鮮な水産物に出会える人気のイベントをご紹介しましょう。それは、毎年5~6月に行われる「舞阪えんばい朝市」。以前は舞阪漁港で行われていましたが、2023年から弁天島海浜公園に会場を移し、アクセスはより便利になっています。
「えんばい」とはもともと、舞阪周辺の漁師さんが漁の獲物をみんなで分け合い、親戚や隣近所にもおすそ分けする習慣のこと。これにちなんだ朝市は、よそから来たお客さんに文字通り「おすそ分け」する精神で、新鮮な海産物を手ごろな値段で販売します。市が立つ日には早朝から大勢の人が押しかけ、1日の来場者数は2000人に達するそうです。
「えんばい朝市」の最大の目玉は、その日水揚げされたばかりの生シラス(マイワシ、カタクチイワシの稚魚)。全国有数のシラス漁獲量を誇る舞阪港ならではの、新鮮そのものの美味しさです。しかし、近年はシラスの不漁が続き、どれだけの水揚げが得られるかはわかりません。でも、安心して下さい。朝市ではシラス以外にも、鮮魚、干物、生海苔などの水産物が豊富に並び、こちらの味も折り紙つき。また、会場内には揚げたての天ぷら、フライ、コロッケなどを販売するテントもあり、気持ちのいい潮風に吹かれながらの朝食を満喫できるのも大きな魅力です。
こうしたイベント以外にも、魅力がいっぱいの舞阪のまち。かつて東海道30番目の宿場町として栄えた面影は、まちの中心街である「往還通り」に今も残っています。通りには、江戸時代に大名や幕府役人が宿泊した舞阪宿脇本陣が復元され、まちの歴史を感じさせます。また、「今切の渡し」の渡船場跡である北雁木は、常夜灯や石畳が旅人で賑わった往時を偲ばせるものです。このほか、一里塚跡、見附石垣、旧東海道松並木など、「往還通り」には数々の歴史スポットが点在。レジャーやグルメの帰りに、ぜひ訪れてほしい通りです。
海に生きる人々の魂を揺さぶる
岐佐神社例祭「まいさか大太鼓まつり」
まちの中央部の小高い丘に鎮座する舞阪の氏神、岐佐神社。蚶貝比賣命(きさがいひめのみこと)(アカガイの神)と蛤貝比賣命(うむがいひめのみこと)(ハマグリの神)という二柱の女神をご祭神とし、水産・漁業、健康・長寿の神として古くから人々の信仰を集めてきました。
その由緒ある神社で、例祭の神賑行事として盛大に行われるのが「まいさか大太鼓まつり」です。400年以上の伝統を誇るこのまつりは、従来、旧暦の9月14、15日に行うと決まっていましたが、2024年から当たり日に近い土、日に開催されることになりました。
「旧暦9月14、15日に固定されたままでは、開催日が平日になることが多く、まつりの主力である青年団や中老の人々が仕事を休む必要がありました。『何とか土日開催にしてくれませんか』という要望に応え、やむなく令和元年に土日開催への変更を決定しました。ところが、令和2年から4年はコロナ禍でまつりが神事のみとなりました。昨年(令和5年)はようやく開催できましたが、この年はたまたま旧暦9月14、15日が土日に当たりました。従って、土日への本格的な移行は今年(令和6年)からとなります」。このように語るのは、岐佐神社宮司の髙栁壮さんです。
「青年団を中心とするまちの人々がまつりに関わる期間は、準備から後片付けまでが数ヶ月に及び、とくにまつりの前後1週間は忙しく、昔は漁師さんが多かったので何とかやれました。今は勤め人が多いのでより大変だと思います。それでも、まつりを愛する地元の人々の心意気は昔も今も変わりません。今年のまつりでも、魂を揺さぶるような力強い太鼓の音が響き渡ることでしょう」(髙栁宮司)。
まつりは、砂町、西町、仲町、新町の4町が参加し、1日目の宵まつりでは各町内で太鼓が練り歩きます。これが終わると、各町それぞれの場所から岐佐神社の境内へ太鼓屋台が運び込まれます。
2日目の本まつりでは、神社境内で4町の大太鼓が一斉に鳴り響き、その後、神輿渡御に合わせて太鼓屋台は境内を出て、神輿とともに稲荷山に向かいます。その道中、大小8台の太鼓と女性の手踊りがお供し、まつりは大いに盛り上がります。大太鼓は、最も大きいもので直径約2.5メートル。神社の鳥居をくぐるぎりぎりの大きさです。これを叩く青年は、長さ1メートルほどの太鼓ぶちを両手に持ち、勇壮な音を響かせます。
また、神輿が岐佐神社を出る時や帰還する時などは、『木遣(きや)り』が歌われ、この歌に合わせて担ぎ手が神輿を威勢よく揺らします。町内を練り歩いた神輿が岐佐神社に戻ると、各町の太鼓屋台も再び境内に集結し、盛大に大太鼓を打ち鳴らしてまつりはクライマックスを迎えます。
まちの発展と安全を願い、エネルギッシュに繰り広げられる「まいさか大太鼓まつり」。これからも地域の人々によって、大切に受け継がれていくことでしょう。
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